2011年4月1日金曜日

組織の原点ここにあり

今回は京都でなくてはならない存在、縁の下の力持ちである京都の市場を支える河市水産様の市場見学にお伺いしてきました。AM2時からAM9時ごろまでお付き合い頂き、私たちに市場の見どころ、ノウハウや組織のあり方、考え方までご教示頂いたのは河市水産株式会社 堀井雅彦様です。
一般の方には公開されていない場所や、通常はお聞き出来ないお話し、普段の生活の中では体験できないことを体験させていただきました。本当にあっという間の7時間でした。


終始私たちはドキドキしっぱなしで、感動と同時に多くの気づきを頂きました。この思いや学びを皆さんにお伝えしたいと思います。

まず始めに、説明をお聞きしながら市場全体を回りました。早朝の市場と言えば正直もっとそこら中で大声が飛び交い、にぎわっている中にも、少しどこか混乱(?)しているイメージがありましたが、決してそうではなく皆さん自分の役割をしっかり把握し、テキパキと機敏に動かれている姿がすごく印象的でした。しかし、その風景は、暗いものではありません。お会いするどの方も皆さんさわやかな笑顔で「おはようございます!!」と挨拶されている姿に、すがすがしさを覚え、心が温かくなりました。
やはりここの組織は皆さんがしっかりと役割意識を持ち、声を出すべき時、団結する時、個人で仕事をこなす時といったようにメリハリのついた中、自分のすべきことを全うし動かれていました。これこそが本当に社員がイキイキと働く現場というものなのかもしれない、と市場に着いて早々感じました。



誰かに指摘され、やらされ観で動いているわけではなく、自然と率先して動き、刻一刻と皆さんの表情には明りがともっていく様にも感じました。
普段なら私たちは眠っている時間、この瞬間にめぐる世界は知り得ませんが、深夜だからといって決して陰と陽なんかではなく、皆さん光輝いていました。AM2時から市場が動きだし、河市さんでは仕分け業務が始まります。テキパキとアルバイトの方が商品をスーパーごとに仕分けをされていきます。その手つき自体も一見流れ作業のように見えますが、長年培ってきたノウハウやしっかりした指導のもとで全体の流れを把握されているためにこなせることなのだと感じました。
全てが初めての経験で、今スーパーに並んでいる魚たちは、この皆さんの動きなしではありあないことなのだと実感し、なんだか感動さえしました。私たちの食卓に届けられるまでを実感し、あらためて感謝です。


そこには海の中の魚たちが全てあるんじゃないかといってもいいくらいの量にも感じました。実はお伺いした日は大震災の影響から、品物が少ないとお聞きしていました。通常は写真の約2倍の量になるそうです。想像するだけでもその量に圧倒され流通の仕組みを肌で感じ、そして同時に被害の大きさをも痛感しました。身近に感じた、この経験やこの日に感じた思いは忘れてはいけないと強く感じました。





さて皆さんこのトラックは何だと思いますか?


市場と言えば釣りあげられた魚たちが並んでいるイメージが強いと思いますが、それだけではありません。実はこのトラック、荷台が水槽になっていて、魚たちを生きたまま漁港から搬送してくるのです。新鮮な魚をトラックから網ですくい上げ、トラックの下では鮮度を保つための処理をされていました。一匹一匹の処理のスピードが速く、全体でしっかりと連携を取られているということが、この一瞬からも感じられました。どの作業一つをとっても、皆さんの向こう側には消費者の顔が見えているのだと思いました。



これまで、多くのチームプレーや連携を肌で感じてきましたが、実は今までは一人が仕分け、配送、そして営業まで全ての流れを一人でこなし、一日の勤務時間は15時間を優に超える程だったそうです。本当に想像を絶する程の仕事量だと思います。今でこそ細分化され、一連の流れができ上がっていましたが、以前は市場では一人でこなすのが当たり前で、誰も声を上げることはなかったそうです。
その中で、今回市場をご案内して下さった堀井さまご自身が、大幅な業務改善に取り組み、市場仕事は何があるかを考え見つめ直し、段階を踏んで細分化されたそうです。



堀井さまご自身は、ずっと働く人々の環境を良くしたいと日々感じながら働き続けられていたそうです。自分自身も仕事が好きで、その思いを感じてほしい、とことん追求して貰いたいと感じ、様々な仕組みを作られていました。

まず、営業はとことん営業に専念出来る環境を整え、その動きに関わる細かな業務や事務処理などはアルバイトでカバーする、もちろんお互いが他人任せではなく、しっかりと個々のやるべき仕事のラインを設定し、役割意識をしっかり持ち目的意識を持った上で理解し答えようと積極的に動かれている姿を目にし、そして、業務内容のみ細分化したわけではなく時間をもしっかりと個人が管理した上での、タイムマネジメントも立てられ、市場の表情に合わせた人の入り方等も細かく設定され、けれど窮屈ではない空間がそこにはありました。
また、河市水産様では、ネームプレートを胸元につけ自分はどこの誰でどういう業務をしているのか、正社員は青の制服、アルバイトスタッフは赤の制服と一目で判断がつくように、組織全体を明確化されていました。同業社さんで制服が揃えられているのは例がなく、制服を着る、名札をつけるそれだけで中で働かれる方の意識や、そこに関わる人たちのことをも考えられているんだと感じました。
どこを見ても河市水産様ではどこか仲間意識、チームワークが伝わってくるような気がしました。


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