2010年12月28日火曜日

一つのトイレから学んだこと

―― 今回は、前回の取材以降に面白い取り組みをされているとお聞きしお話を伺ってきました。
というのも先日、藤井大丸さんの1階トイレがリニューアルされたのです。
皆さんご存知でしたか?

実はそのデザイン、女性社員への公募にて決められたデザインだそうなんです!!
その取り組みについてぜひお話をお伺いしたい!!と追加取材を行なって参りました。

株式会社藤井大丸 業務推進部 谷本 萌様にお話をお伺いして参りました。

谷本 萌氏
―― 早速1階女子トイレを拝見してきました!白を基調とされていて、雰囲気も変わり、本当にトイレ!?と思うほどかわいかったです!

■この取り組みのきっかけは何ですか?


ありがとうございます。
当社は今年で創業140周年を迎えたのですが、記念企画の一環として挙げられたのがトイレの改装だったんです。1階トイレは十数年前に改装して以来だったのでユニバーサルなデザインではないなど問題点があったんです。

140周年を機に、せっかくだから従業員の生の声を反映させ、よりお客様目線のデザインにしようということになり、外部の設計事務所ではなく従業員にデザインを募集することになりました。

振り返ってみた時、従業員の意見を聞くことがあまりなかったんですよ。というのも全社的に900名程従業員はいますが、その内150名位が藤井大丸の社員で、他はお取引先のスタッフさんということもあって、全体的にコミュニケーションや意思疎通が不十分だったんですよね。公募と言う形をとることでいろんな意見を吸い上げたいと思ったのがきっかけなんです。

その中で最優秀賞1名と優秀賞9名を決め、1階女子トイレに反映しました。
社員にとっても会社のことを考えて頂くきっかけになったんじゃないかなと思っています。

毎日社内放送で呼びかけたりもしましたし(笑)、今回応募総数が女性限定で80名程だったのですが、応募には至らなくても、皆さん考えて頂けたと思います。


―― そうなんですね!自分の意見が反映されるのはすごくうれしいですし、素敵ですね。トイレ1つのデザインでも立場によって見え方も感じ方も異なりますね。

そうですね。実際、幅広い年代の方からご応募頂きましたし、フロアごとでも感じ方や、見る観点が全く違うんだなと、こちらの方こそ勉強させて頂きました。


例えば、地下の食品売り場のスタッフの意見では、地下にはトイレがないので、お客様は1階のトイレを使用されます。

1階~7階の各フロアはお客様の年齢層は分かれているんですが、地下だけは老若男女問わず多くいらっしゃるので、わかりやすい表示、そして誰にでも受け入れられるさわやかな色がいいとの意見も出ました。


また、年代や、ご自身がおかれている状況によって考え方や見方が変わるんですよね。ご両親の介護をされている方は、体の不自由な方向けなど多目的トイレについて熱く書いて下さいました。

付添いの人も入るからある程度の広さは必要だけれど広くしすぎると問題もあると…。確かに現状で多目的トイレはありますが、休憩所感覚で利用されて、本当に必要とされている方が利用できなかったりするので…必要以上に広くしないとか。

他にも普段気付かないような、突起物や、フックの位置など、そういった違う角度からの視点がすごくありがたかったです。皆色んなことを考えているんだなと少しわかったように思います。他には女性ならではの意見も多く頂きました。

個室ではいったん気持ちをリセットしたいので、ある程度落ち着く空間であってほしい。洗面台は横に荷物を置くと濡れてしまうので、フックや荷物置きが必須。

パウダールームでは気持ちよくお化粧直しをしたいのでプライベート感を出してほしい。などなど…。女性にとってトイレはもはや単なる用足しの場ではなくなっていることに改めて気付かされました(笑)

1階トイレは面積が非常に狭いのでカーブやグラデーションをつかって広く見せようという意見もありました。皆さん良く見ているなと感心するばかりでした。

確かにあまり広くなく、1階トイレの課題として、お客様の回転率を上げなくてはならなかったので、人の動線を考え、かつ実用的であることも考えました。

―― 一つのトイレ改装をきっかけに会社全体でたくさんの方が考えて頂いたのはすごいですね。

■今回のことをきっかけに様々な場所にトイレを見に行かれたのではないですか?今後もまた何か計画されているのですか?


そうですね!トイレを勉強しに大阪へ行ったりもしました!(笑)
今後の動きとしては、今回集まった女性従業員の想いを、従業員用トイレの改装にも反映させていきたいと思いますし、多く寄せられた意見を実際に今回反映した点も社内報にしてまとめました。やはり、意見を頂いたからには、フィードバックは大切なので。

後は、弊社は男性のお客様の割合が他の百貨店に比べて多いので、男性用トイレの改装も考えていますし、従業員食堂の改装にも取り組んでいこうかとも考えています。

―― どんどんと社内を改革していこうと前向きに取り組まれている姿を見て本当に勉強になりました。ご協力ありがとうございました。


★本日インタビューにお答え頂いた谷本さんから見た上杉さんのお話をお伺いしてきました。




■御社は、家族的な風土があって、すごくいい社風だと、上杉さんからお聞きしていましたがいかがですか?
また、両立されながら働かれている上杉さんを近くで見られていて、いかがですか?


そうですね。私は入社して6年、人事で働いてきましたが、入社当初の第一印象はすごくクールな方かと思っていました。でも一緒に働いていて、第一印象と違うなって感じています。すごく優しい方で、すごく芯のある方です。

仕事に対してもとてもまじめで真剣な方なので、厳しいところもありますよ。(笑)
でも同時に、女性らしい考え方を持った方で、繊細さと、どこか男前な凛々しい芯のある考え方を兼ね備えていて、そのバランスがとても素敵だなと思いますし、すごく尊敬しています。

私自身もそうなっていきたいですし、今後どんどん、自分自身も、会社も成長していけたらなと思っています。

―― 後輩社員の方から尊敬していると言ってもらえ、素直に先輩のことを厳しいけれど、尊敬していると言えるような関係が築けているのはすごく素敵ですね! 谷本さんご協力有難うございました。
(2010年12月16日現在)

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