2010年12月10日金曜日

仕事と家庭の両立するための秘訣



■休まれた方々や短時間勤務を利用されている方々の仕事のサポートはどのように運営されているんですか?


正直、今でこそ事例がたくさんできたことで制度も整えられ、会社自体の考え方が変化してきましたが、まだ前例がない内は理解していただけない方もいましたし、短時間勤務利用者に対しての目も冷たかったかもしれません。

「女性は寿退社が当たり前」とおっしゃる性別役割分業世代の方々や、短時間勤務においては「昼休憩とって四時退社なんて仕事をする時間があるのか?」という様な考えの方もいましたが今は、家族的な社風のおかげか、理解ある上司もたくさんいます。

実際に私の直属の上司は、お嬢さんが子育てしながら仕事をされていることから、お孫さんの面倒を日常的によく見られており、それゆえに両立支援にとても理解があります。少し残業をしていると「早く帰りなさいね」と声をかけてくださいます。

このように時代の流れに沿って子育てを理由に仕事を辞める方は減ってきましたし、周囲もそのために仕事を辞めるのはもったいないと考える方が増えてきたのではないかと思います。

最近では出産しても仕事を継続する女性社員も増えてきて平成13年以降は女性の育児休業取得者は絶えることなく出ていますし、育児休業取得が当たり前になってきましたね。

中には、核家族で短時間勤務されながら両立されている方もいますし、結婚を機に退社されている方は今は、ほとんどいないですね。

短時間勤務も小学校1年生の5月末まで取得できるよう延長しましたし、現在は、短時間勤務制度があるから助かる、継続も出来るとの声もあるので、小学校3年生まで延長するか検討中です。

休業中や短時間勤務の方がいる部署では、少なからずフルタイムで働いている方にカバーして頂くことになります。でも、お互い様という気持ちで、何とか皆さんに協力をお願いしています。


―― すごいですね!そして、育児休暇取得が当たり前になる風土は素晴らしいですね。

■御社の場合、土日も営業されていますが、土日の休みがない場合、託児の問題はどうされているのですか?


そうですね、土日の託児問題は、お子さんがいらっしゃる方は、週の半ばに休みをとって、週末はご夫婦のどちらかが見るということが多い様です。社内結婚された方も同様です。
皆さん、ご夫婦が協力されながら、工夫されているみたいです。

土日が固定の休日ではないのは、大変なように思われがちですが、この業種だからこそ固定の休みが無く、ある意味自由に休みが取れるのでスケジュールを立てやすく有り難いです。最近は平日の保育園行事も多いですし、参加しやすいんですよ。

なるほど。確かにそうですね。当たり前のことなのかもしれませんが、ここまでお互いの理解が進み、ご夫婦で協力と工夫されているのはすごく素敵ですね。
うーん…難しいですね…(笑) 
私は本当に周りのサポートに恵まれていたと思いますし、私の意見が役に立つかはわかりませんが、まずは「力を抜くところは抜く!!」ですかね。

仕事ではなかなかそうはいかないかもしれませんが、家事や育児でも100%を求めるとしんどくなってしまいますよね?上手に力を抜いて、明日でもいいものは明日に回すという様に、柔軟に物事をこなしていくことだと思います。

こうしなくてはいけない!こう育てなくてはいけないとガチガチに自分を固めてしまうのではなく、ある程度手を抜き、自分にも余裕あるスペースを与えてあげることだと思います。

そして「休みの日の活用の仕方」でしょうか。私の場合は平日休みを取れるので、その日は片付けや翌日以降のおかず作りといった、家事全般を済ますようにしています。

あとは、言い方は悪いのですが「頼れるものは頼る」ことですかね。
後で何らかの形で恩返しするというつもりで、甘えられるところがあったら、甘えられるうちに、精一杯頼るということですね。一人で子育てしようと思いこむのはすごくしんどいと思います。

正直、子育てがこんなにしんどいとは思いませんでしたし、育児休業の一年間で、想像を絶するくらい大変なんだなと痛感しました。

特に私は、ずっと子供と一対一でいるのが向かないタイプかなと。大変でも仕事も家庭も両立していきたいと思ったんです。自分に職場という戻れる場所があるのがありがたいと感じましたし、働けるっていうことがこんなにありがたいのかと思ったんです。

周りからの支えは必要不可欠ですし、ただ、定時に帰れないとき、勤務時間が延びる場合は、事前に段取りや準備はしておく必要はあります。仕事や家事・育児、何においてもタイムマネジメントが重要だと感じています。

確かに子育ては大変ですが、自分自身子育てをして学ぶことは多くありますし、子供に育てられることも多くあるなと思います。子供が一才なら自分も母親一歳です。(笑)


―― 確かに母親一歳ですね。子供にしかない発想力や、気付かない点もきっと多くありますし、きっと「人」を育てる立場になって初めて感じることってたくさんありますよね。

■女性が活躍していく上では何が一番大切でしょうか?


そうですね。管理職という立場に立つ女性は増えつつあると思います。この業界ならではかもしれませんが、女性の感覚は大切だと思います。会社としても、今後、女性の活用に力を入れていくところです。

今は男女差なんてないと思いますし、女性だからできないことはなく、女性だからといって遠慮する必要もないと思います。

ただ、制度は整いつつありますが、作るだけではなかなか周知はできませんし、なんでも活用事例がないとなかなか難しいのが現実だと思います。今後は、制度にしても何でも、どんどん周知していき、ロールモデルとなる存在を増やしていきたいですね。

(2010年10月29日現在)

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