2011年5月11日水曜日

スポーツも一緒なんです。いかに毒を抜くかが重要なんですよね。

---皆さん、女子のメジャーなプロスポーツと言えば何を思い浮かべますか?…フィギュアスケート?バレーボール?サッカーボール?テニス?ゴルフ?いいえ。どれでもないんです。まだ何か忘れていませんか?そうです!今回は女子スポーツ界に革命ともいえる新たな風を巻き起こした“女子プロ野球”です!!

「今日と明日の夢に向かって歩き続け、真のアスリートとして成長していく」をモットーにプレーされている京都アストドリームスのキャプテン河本悠選手、副キャプテン川端友紀選手、そして「すべては野球を愛する、野球をしたい女性たちの夢のために」をモットーに様々なことに取り組まれています、女子プロ野球リーグの岩崎恭子さまにお話をお伺いしてきました。 
野球はどこか“男子”の野球界と一括りにされてしまいがちですが、そのような中でも、強く自分の軸を持ち、女性の“野球”というスポーツを職業とし、男社会の中で女性プロ野球の道筋を今日まで作ってこられた皆さんに、そのモチベーションの秘訣、またチームとして、組織として動く為のノウハウをお話頂きました。
京都アストドリームス キャプテン河本選手 副キャプテン 川端選手


■まずは、この記事を読まれているファンへ簡単な自己紹介をお願いします。


河)15番、河本悠、キャプテンです。
いつか野球を職業にするのが小さい頃からの夢でした。一度は諦め、違う仕事にも就きましたが、ずっと“野球”が忘れられないと感じていた頃に、女子プロ野球ができると聞き、夢を叶えるチャンスが来た!と思いすぐにトライアウトを受けました。そうして今ここにいます。


川)23番、副キャプテンの川端友紀です。
元々、兄が野球をしていて、父はそのチームの監督をしていたことがきっかけで私も野球を始めました。小3からずっと硬式野球をしていましたが、中学に入り女子だけで野球をし続ける環境が見つからず、ソフトボールに転向し社会人までずっとプレーしていました。それでも、やはり野球とは異なるし、一年半くらいソフトボールから離れていましたが、女子プロ野球ができると知り、女子で野球ができる環境ができたということにすごく希望を持て、また夢を持つことができたので今ここにいます。

---ありがとうございます。お二人とも野球を忘れられないと仰っていましたが、それだけ野球には沢山の魅力が詰まっているんですね。実は3月19日のオープン戦、観戦に行きました。力強い皆さんのプレーから迫力を感じました。

河・川)ありがとうございます!

河)確かに、皆動き一つにしてもキビキビしていると思います。
男子のプロ野球を目標にしているというよりは高校野球という感じでしょうか。正直、女子野球は、破壊力やスピード、迫力は男子には敵いません。それでも女子野球をいいといってくれるファンはいますし、女子にしかない魅力があるのかなと思いますね。野球に対する姿勢がファンの方々に一番伝わっているのかなと思います。
京都アストドリームス キャプテン河本選手 


川)確かに!試合中の喜び方とかですよね。
河)男子は試合中一本のヒットでは笑顔をあんまり見せませんが、女子は喜びを表に出しますし、試合が終わった後にお見送り等もします。身近に感じてくれていて、親しみを持って下さっているのかなと思います。野球を心底楽しんでいる思いや、一球一球にかける思いが伝わっているのかなと思います。本当に楽しんでいますから!
川)ついつい自然と笑顔が出てしまいますよね!


---なるほど。確かに応援していてもこちらも思わず声をあげてしまいましたし、すごく楽しまれているのが伝わってきました。応援席では少年が目をきらきらと輝かせている姿も見受けられ、なんだか新鮮でした。他のファンの方々もどちらの球団も応援しているように見えました。

河・川)そうなんですか!すごく嬉しいです。確かにファンも女子プロ野球は男子とは違うかも。

河)「女子プロ野球」に関しては皆どちらかのチームというより「女子プロ野球」自体のファンという感じがします。ありがたいです。


■やはりそういったファンの方々の声援や家族など、周りの方々に支えられているなと強く感じられますか?


河)そうですね。日々感じています。私は高校生のころからずっと野球しかしてきませんでした。でも両親はそれに対して「野球ばっかりして」とか「少しは勉強しなさい」といった文句を言わず、いつも見守ってくれていました。言葉にこそしませんが、態度や行動示してくれて、常にドンっと構えてくれてたことが支えになりました。トライアウトに挑戦すると伝えた時も反対もせず「やりたいことをしなさい」と言ってくれたのが何よりも支えになりましたね。


川)野球を始めるきっかけをくれたのは父と兄です。父は指導者としても、父としても支えてくれましたし、また、兄妹二人とも野球をするなんてすごく大変だったと思いますが、小さなころから、ずっと心配しながらも支えてくれていた母と、家族にも感謝の気持ちでいっぱいです。

副キャプテン 川端選手

■選手の方々のブログを拝見しても、お二人とお話ししていても皆さん感謝の気持ちを口にされていますが、昔からですか?


河) いえいえ、最初からではないですよ!高校生のころは、反抗期で両親に対してどこか毛嫌いしているところもあったと思います。社会人になり、親元を離れてから、特に感謝の気持ちを言葉にし、伝えるようになりました。最初はすごく恥ずかしかったですよ~。(笑)でも自然と言えるようになりましたね。

川)そうですね。私は逆に父が消防士なので母は家で一人の時間が多く、寂しい思いをしていても文句を言わずに好きなことをさせて貰っているので本当に感謝しています。

河)チーム内でも皆感謝の気持ちは表に出して言っていますしね。チームメイトからも家族に対しての想いや、親孝行話をよく聞きますよ。



■本当にみなさん親孝行されていますね!皆さんが感謝の気持ちを持ち、野球を心底楽しんでいるのがすごく伝わってきますが、やはり全くゼロからの「女子野球」を辞めたいとは思ったことはありませんか?


河)社会人を一年経験しましたが、仕事自体が辛く体力的にきつくて、オフに野球をする
余力がなくて、正直野球から遠ざかったこともありました。でも、野球が嫌で辞めたいと
思ったことは一度もありませんね。

川)私もそうですね。ソフトボールの話になってしまいますが、実業団でソフトボールを
していましたが、仕事をしながらソフトボールをするという環境であったり、会社の
方針と自分のソフトボールが合わず、やめてしまったことはありますが、それ以外で
やめたいと思ったことはないです。

---そうなんですね。

■モチベーションを保つ秘訣はございますか?


河)何だろう~?(笑) 思いきり野球を楽しむことくらいですかね?
例えば試合であったり紅白戦であったりと、野球をすることで自分を奮い立たせています。紅白戦とか燃えるよね。(笑)

川)燃えますね!(笑)  
逆に調子が悪い時程、練習したりしますし。調子が悪くなると自分のプレーに自信が持てなくなり、自信がないのが態度に出てしまいますね。

河)確かに!悩んでいる暇があったらひたすら練習!これだけ練習したし大丈夫だろってそうしたほうが自信持てるしね。(笑)

---なるほど!

■では他の選手が調子悪いなと感じた時には声をかけたりするんですか?


河)そうですね~、できるだけ皆でワイワイできるような雰囲気を作れるように心がけています。ただ、人によっては落ち込んでいるときはそっとしておいてほしい人や、話しかけて欲しそうな人にはこちらから話しかける、といったように盛り上げるばかりではなく、話を聞くときは聞きます。皆をしっかり観察し、見極めています。

----本当にすごく周りに目を向けられているんですね。

川)本当にすごいんですよ。いつでも皆を笑わしてくれたりする気遣いなど、本当にすごいなと思うことが多々あります。いつも感謝しています。

河)恐縮です。元々皆が笑っている姿が好きで、皆が笑うと自分も楽しくなるので、なんか笑わしてやろう!どう笑わしてやろう!と常に思っています。(笑)
後は人間観察がすごく好きで普段から人間観察してるんですよね。すごく面白いですよ!野球にも活かされていると思いますし。(笑) 相手選手の癖とか、ちょっとした仕草とか、変化に気づくだけでもすごく大きいですし、日常的な「人間観察」からの学びは大きいです。最近は特に、他人に無関心な人が多いですよね。皆のちょっとした仕草が、元気ないなって思ったり、ボーとしてる時間が多いなとか、ストレッチの時一つをとっても色々感じられますよ。皆もすればいいのにって思います。(笑)

---すごいですね!!ご自身も練習されている最中でも、周りを見ているんですね!

■人をマネジメントするとかそういった、指揮をとってこられた経験はございますか?


河)高校生のころからずっとキャプテンをしていたこともありますが、例えば、相手の気持ちを分からない人にはいかに気づいてもらうかを意識し、私がこうした方がいいとかいうのではなく、仕向けるというか。感じとってもらえるような環境や、言いたいことを言える様な環境を作るのが大事かなと思います。普段の会話の中で、自然と野球に対する姿勢や、野球に関する話題ができるような環境がベストですかね。

---本当にそうですね。そこまで周りを見て、考えられるってすごいですね。



河)そんなことないですよ。ただ、相手のことを考えないと逆に自分が困りませんか?例えば同じプランで物事を進めていく際や、何か企画を通すために皆で一緒に頑張る際、一人でも考え方違う人や道を外れる人がいたら困りますよね。スポーツも一緒なんです。いかに毒を抜くかが重要なんですよね。

---確かにそうですね。企業もチームですね。

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