2010年11月1日月曜日

自分のスタイルで働ける職場

―― 古都・京都の玄関口から一歩踏み込むとそこは、洗練された空間…ここでの結婚式を夢見ている方も少なくはないのではないでしょうか。

今回の主役は、今年で開業14年目を迎え、国内外を問わず多くのお客様に親しまれている、京都で知らない人間はいないと言っても過言ではない「ホテルグランヴィア京都」様です!

今回の取材先は、総務部 総務人事グループの大矢 悦子様にお話をお伺いしてきました。

ホテルグランヴィア京都様は、「きょうと男女共同参画推進宣言」にも登録されており、お客様だけでなく、そこに働く従業員も大切にされています。
そんな秘訣や、社内風土を少し覗いてきました。
大矢 悦子氏

■男女共同参画推進宣言をされていますがその経緯を教えて頂けますか?

女性が末長く働ける、いろんな方面で活躍できる企業にしたいと思ったのがきっかけです。海外のホテルでは管理監督職でも大変多くの女性が活躍されているんですよ。それに比べ日本はまだまだですよね。女性の中で一番多く考えられる、結婚出産。

出産しても仕事を続けたい、キャリアアップ志向があるのであれば、この企業で続けようとか、上を目指し、頑張ろうと思わせる足がかりになるものが必要だと思ったんです。
こうあるべきというレール敷くのではなくまずは環境作りから始めました。



―― なるほど。確かに、仕事を続けたいと感じていても、会社にそのような風土がなければなかなか言い出せないこともありますね。
そう思うと、会社全体で女性活用問題に取り組まれるのはすごく素敵ですね。

■では他に、女性が活躍する職場にするためにはどういうことが必要だと思われますか?

そうですね。様々な側面があるとは思いますが、一番は、自分のスタイルで働ける職場ではないでしょうか。キャリアアップ志向の人もいれば、そうでない人もいますよね。

例えば、キャリアを積むと必ずマネジメントをしないといけないというのではなく、接客が好きで接客のスペシャリストを目指すとか、ひとつの職種をずっと継続できるなど、いろんな働き方の中から、自分の働き方が選択でき、仕事に対してやりがいや責任を持てる働き方ができる職場ではないかなと感じます。

そして次に必要なことはやはりサポートする風土ではないでしょうか。
弊社では育児休職は最長子供が3歳になるまで、勤務時間の短縮については9歳の学年末までに延長しています。

―― なるほど…そうなんですね。
それにしても、24時間、365日営業の中で育児休業・勤務時間短縮の延長だなんてすごいですね!

■周りの方々の反応はいかがですか?また利用者からはどのような声が聞かれましたか?


そうですね。弊社では最長3歳なので、制度利用期間を自分で合わせられます。ですからなかなか保育園に入園できず困っていたところ、何カ月か制度を使い助かったという事例がありました。

また、周囲は方向性や制度について総論賛成ですし、概ね理解があると思います。
問題は実際の運用がどうか、ということですが、育児休業中の人員不足についてはアルバイトを補充したりという運用をしています。

弊社は24時間営業ですから夜勤のある職種もあります。育児休職復職後の方々は、今のところ配属を含めて労働時間の配慮をしたり、制度に縛られるのではなくケースバイケースで柔軟な対応を心掛けています。

また、制度においては周囲の理解だけではなく、利用側の意識も大切ですね。権利主張をするだけではなく、利用者の仕事に向き合う姿勢や配慮に対する周囲への感謝は必要です。

もちろん、育児だけではなく、今後は介護問題も増えていきますし、お互い様という気持ちも大切ですね。

何にしても、やはりお互いの思いやりが欠かせないと思います。思いやることで自然と相手の立場も見えてきますからね。


―― そうですね。やはり最近では、保育園の入園問題もよく耳にします。そんな中育児休業の延長はすごく心強いですね。また、自分にばかり負担がかかるとなかなか、思いやりを持てなくなってしまいますが、そういった両側面をしっかりとらえ、会社がカバーしてくれるとよりよい環境になりますね!

■多くの方が制度を利用されているのですか?また男性の育児休業取得率はいかがですか?


ここ最近は特に結婚しても仕事を続ける方が非常に多いです。中には2人目3人目の育児休業という方もいらっしゃいます。

ただ残念ながら、男性の育児休業取得はまだです。これは今後も課題です。男性の育児休業は外圧ではなく、まだまだ男性の意識が進んでいない部分もあると思います。

制度として男性の出産直後の休暇はまだありませんが、運用で工夫はしていますし、男性も育児休暇取得を検討して頂きたいと考えています。

ただし、現在は不況の影響もあって人の不足への対応が難しく、そのような意味でも特に男性は遠慮しがちであると思います。

―― そうですね。確かに、日本全体で見ても男性の育児参加はまだまだですね。
最近でこそ育メンや男性の育児参加などを耳にしますが、やはりまだ性別役割分業感覚も抜けきっていないでしょうし、難しいところですね。

(2010年9月21日現在)

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