2011年3月22日火曜日

「“今日は何して遊ぼう”と思いなさい」


■野崎様とお話しさせて頂き、すごくたくさんの事をご存知で、自分自身も野崎様の様になりたいと感じたのですが、どのようにお勉強されているのですか?


京都は勉強できる場がたくさんあるんですよ。土日や平日の夜に、講演会や講義に気楽に参加しています。仕事以外の雑学系ですが、自分の仕事とは全く関係無い方がヒントになったりしますね。「成果主義」がもてはやされ、それって一体何なのかと考えていたときに、京都大学の市民講座で国際政治の中西教授から「自由主義」のお話を聞きました。「自由主義は、絶対主義や共産主義のアンチテーゼではあるが、自由の中見が定義されていない。反対勢力が弱まって、“自由”だけが独り歩きしている状態に陥っている」と仰ったんです。その時、成果主義と一緒だ、年功序列や労働時間偏重のアンチテーゼだと思えば、「成果主義」という言葉に振り回されることはないと気づきました。けれど、そんなことは人事の本には書いてないんですよね。


―― 確かに違う角度からの話を聞くと見え方も変わりますね。




■野崎様が人事部で仕事をしてきてよかったなと思うときはどんな時ですか?また入社当初からずっと、仕事に対するモチベーションが高かったんですか?


同じ話を聞いていても感じ方、受け止め方は人によって違いますし、それがいいと思います。自分の共感できることを積み重ねて、新たな自分の価値観にしていけばいいんじゃないでしょうか。
私自身についていえば、こんなに長く勤めることになろうとは夢にも思いませんでした(笑)。ホリバコミュニティという福利厚生の別会社の第一号社員として採用してもらいましたが、ほとんどアルバイト気分でしたね。「えっ、採用面接あるんですか?!」くらいの感覚だったので。(笑)
ですから、やりたいことも別にないし、仕事が面白くないと思うこともありました。「一つも面白くない」と先輩に言うと「それなら会社行く時は“今日は何して遊ぼう”と思いなさい」と言われました。コピーを取って遊ぼう、お茶汲んで遊ぼう、もちろんアフター5にご飯食べて遊ぼう。最後に“遊ぼう”をつけると気分は変わりますよ(笑)

仕事面では副社長から「堀場では本を二冊読んだら専門家の顔ができるぞ」っていわれました。もともと人事の仕事は学生時代の専攻と異なっていたのですが、「そういうものか!」って納得し安心しました。自分に都合のいいことだけ聞いているものですね(笑)
仕事上で恵まれていたのは、プロジェクトの事務局が多かったことですね。女性は結婚退職が普通で何年働き続けるかわからないという時代でしたから、人事制度や原価計算のプロジェクトなど、半年から長くても二年ほどで完成させて、ルーチンに引き継ぐことが多かったです。事務局といっても、議事録をとったりコピーをとったり、本を読んで調べたり、日々のルーチン作業と変わらないのですが。そのうちに辞めそうにないから‥と人事のルーチンを担当している状況です。(笑)
制度や仕組みがあって良かったと思ってくれる人がいると、仕事をしてよかったと思います。後は・・・目に見えて業績が上がった時ですね。(笑)もしお客様から、いい製品を作っている いい会社ですねと言われる機会があればすごく嬉しいですね。

―― 野崎様が働き続けるつもりがなかったなんてすごく意外です。要は「ものは捉え方」次第で、全く異なってきますね。まさに「おもしろおかしく」ですね!

■御社はもう課題はないのではないかと感じますが、今後は力をいれていきたいことはありますか?また、最後に働く人にメッセージを下さい。



入社の志望動機に、「自分の思いがすぐに叶わないかもしれないが、HORIBAは思いを言うことが許される会社だと思う」といった学生さんがいました。そういう会社だと見込んでくれたのなら、その思いを裏切りたくないですし、堀場製作所は思いを自由に言える会社でありけたいと思います。面接していると見えなかった部分が見えたり、勉強になってラッキーですよ。課題はヤマのようにありますよ。

基本的に人事の仕事は、「社員に貢献する」、「組織に貢献する」、「ビジネスに貢献する」ことだと考えています。「社員」の皆さんには、退職するときに「HORIBAで働いてよかった」と言ってもらいたいし、「組織」については良き管理職を輩出して、人を育て人が育つ組織を創りたいですね。
また人事の「ビジネス」は業績を担い、次のビジネスを展開できる人財を供給することになるでしょうか。
おかげで HORIBA COLLEGEという専門教育は、一年間のプロジェクト活動を経て、会社中がお互いに学び合おう、教え合おうと動き出し、定着しつつあります。これからはビジネスモデルを創る意識やスキルを根付かせたと思っています。得意のトライアル方式で進める予定です。
メッセージですか…個人的には「明日は明日の風が吹く」です。入社時の指針が「今日は何して遊ぼう」でしたから、本質は変わっていないのでしょう。
もし、働く人に贈る言葉を選ぶなら「人生やって無駄なことはない」です。新人さんに教えてもらいました。とても共感しましたし、元気になりませんか。
―― ありがとうございます。確かに、うまくいかないとつい諦めてしまい「無駄な時間を過ごした」と思ってしまいがちですが、そうではないんですね。「人生やって無駄なこと無し」。本当に勇気を頂きました。ありがとうございました。
(2011年2月4日現在)

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