2011年9月30日金曜日

tryは試してみる。試してみることに失敗はないんです。


■その中で周りに助けられたなと感じることはありますか?



もう本当にずっと仲間に助けられっぱなしです。役職に就くまでは、自分一人でこなすことが責任だと思っていました。でも役職者になって10年目になるんですが、人を介して仕事を進めなくてはならないのが役職者なんだと気づきました。うまいことやりくりをして回していくことも仕事の一つなのだと…。

仕事を抱え込んでいる人は、どこか話しかけにくいオーラが出てしまい、仕事を頼みにくかったりしますよね?仕事を任せようって思う人はいつもオープンで、人間関係もうまくいっています。だから管理する側に余裕がなかったらきっと周りに迷惑かけてしまうと思うんですよね。

―――確かに。

■ただ、仕事を回すにも採配して仕事を任せるのと、投げるのは違うと思うのですが、その線引きは難しくないですか?コツや、大切にされていることなどありますか?

確かに難しいです。ヒントになるのは日々のコミュニケーションですね。こちらが綿密に計画を立ててしまうと自分本位になってしまいますしね。日々の雑談の中で、この人は普段どんなことを考え、今はどのくらいのレベルで仕事をしているのかを把握し、半年分ぐらいストックしておきます。仕事を任せることができるかどうかも判断する必要はありますよね。相手の得意不得意や興味あるかないかを判断し、これを任すとモチベーションが上がるんじゃないかなと、その人に合うものを見つけています。仕事の選別は自分の役割だと思っています。その様なことを考えていると、偶然にも誰かに合う仕事が出てくるんですよ。(笑) 


―――日常的に周りを見て意識してお仕事をされているんですね!女性のマネジメントでも雑談がすごく大事と聞きます。

■御社は女性の割合が高いとお聞きしましたが、フォロー等で心がけていることはありますか?

そうですね、弊社は、女性は約7割と多いです。その中で心がけているのはやはり傾聴ですね。私は実は、カウンセリングの資格を持っているんですが、その時に心理学を学び、どのように信頼関係を構築していくのかを勉強しました。初対面の時に、話を聴いてもらえたと思うか、アドバイスを押しつけられたと思うかで、信頼関係は決まるらしいんです。変にアドバイスしたりする必要もなく、8割がた聴くだけで十分なんですよね。話し手は喋るだけで整理され、解決するんです。男性はつい問題解決しなくては!と、結論を出そうとしてしまいますが、女性は、結論は求めていないことが多いんですよ。


―――確かに、話を聴いてほしいと思いますね。雑談でも聴いてくれるとなるとそれだけで安心感があり、見守られている感覚がありますし、なんでも話しやすくなりますよね。

■他にマネジメントをされる中で一番力を入れられている点はありますか?

マネジメントスキルよりも、やはり一番はお互いが何を考えているのかを対話して理解することだともいます。出なければスキルも活かしようがないと思います。指示だけの人になっても距離ができますし、逆に、指示者がどういう思いを持ち、仕事をしているのか、会社の方針をどう理解していて、私たちに教えてくれる人なのかも知った方がより本質に近づけますよね。上司は、部下は動いてくれて当たり前だと思っていてはいけません。
あと、上司に対する満足度調査も定期的に実施します。上司は、人を介して仕事をしていくポジションなので、皆が気持ちよく仕事をしてもらわないと、進むものも進みませんしね。



―――アンケートされたんですね!いかがでしたか?
きつかったですよ~。相手の想いとこちらの想いのすれ違いを、対話を通じて解消するセッションなんかも行ないました。やはり、こちらもどういう意図を持ち、指示をしているのかを話さなければ伝わらないのだと改めて感じました。

―――セッションいいですね!うまくまとめ指揮をとられているんですね。

■その中で女性ならではの悩みの声も上がったりしましたか?

ありがとうございます。
そうですね。やはり産休育休問題はありますね。制度はもちろんありましたが、活用されだしたのはここ6、7年くらいなんですよ。ここ2年で産休育休取得者は8名いるんですが、
第1号を守る時は大変でした。

■どのようにフォローされたんですか?


産休、育休取得者第一号は私の部署で私の同期だったんです。まず、休暇を取る前に、心配事は何か話を聞きました。特に彼女の場合は、バリバリと仕事をしていましたし、復帰後、これまでと同じように働けるか?と言うと正直難しいと話していました。復帰しても1年のブランクがあり、周りが今まで自分がしていた仕事をうまくこなしていると自分は必要ではないのではないかと話していましたし、復帰後の仕事の与え方はすごく考えましたね。プレッシャーがかからないよう、お客様との間で、彼女がいなくては分からない状態にはしない、しかし彼女にしかできないことをサポート的役割で入ってもらうように与え、自分のポジションを作って自信を取り戻して貰いました。



―――そうなんですね。よくそういった悩みはお話をお聞きしますし、自分のポジションがあるってすごくありがたいですね。

■周りの方々も理解はあったんですね?

そうですね。周りにも、復帰してもフルで働けないからと話していました。しかし、ノウハウを持っている人が辞めるのは会社や本人にとっても損だと思います。やはり痛手ですよね。復帰する意思がある人は会社に対しても仕事に対してもモチベーションの高い人なんですよね。仕事に取り組む姿を見ているこちらも頑張ろうと思えますし、刺激を受けますよね。抜けている間は誰かがカバーすればいいですし、復帰後も存在だけで安心感はあります。確かにメリット・デメリットはあるかもしれません。しかしそれらも体験しなければ分かりませんし、身をもって伝えていきたいと思っています。復帰後の周りとの信頼関係は制度では何ともできません。もちろん、周りの理解だけではなく、当事者も工夫は必要だと思いますよ。

例えば、熱が出そうな予兆があったとすると事前にメンバーには、雑談の中でも現在の状況を少し伝えておくなど共有しておく工夫は大切だと思います。急に休むとなると、やはり物事には段取りもあるので周りに迷惑をかけてしまいますしね。男性よりも女性の同僚の方がそういう目は厳しかったりします。

本人の努力と周りの理解は必要不可欠ですね。取得者第1号は「上司の理解が一番大きい。この人の元なら信頼してまた復帰して全力で頑張ろうと思わせられるかどうか、上司が守ってやると言えるかが大事」だと体験談を話していました。



―――本当にそうですね。

■これからメンバー全員で共有するために雑談の場を作ったりするんですか?それにしてはロールモデルがあるのは心強いですね。

わざわざ時間を作るというよりは皆自然となっていますね。ただ、オフィスのレイアウトに関してもやっぱり気にしています。L字にしてデスクを介さない様にしていたり。
正解もないですし手探りですけどね。

―――すごい考えられているんですね。

■では素敵な所がたくさんある御社ですが、荒木さんが一番好きなポイントは?


そうですね~。お褒め頂いて気づくこともありますし、失敗したと思うこともありますが、やっぱりプラス面の方が大きいです。一番という程のことではないかもしれませんが、弊社は挨拶や御礼がすれ違った時や何かあった時にも男女問わず必ず声が出ます。上の人ほど腰が低いんです。そこはいいことかなと思います。社長も狭い階段ですれ違う時も従業員に社長が道を譲るんですよ。笑 デスクに話に行くと必ず立ちあがって話しを聞くんです。社長は社長の信念でやっているんですが、皆その姿を見て変わっていくというか、映るというか、刺激を受けています。ただ変に意識してやっているわけではなく、自然なんでね。

―――すごく素敵な社長様ですね!ついていこう!頑張ろう!って思える職場ですね。

■では最後に働く人にメッセージをお願いします。

私自身がよく自分を律するために思う言葉なんですが、「try」をもっとしていこうと思っています。チャレンジとかチェンジって、リスクを伴うことに挑戦する、変革するとかで、モチベーションが上がる言葉だとは思うんですが、覚悟がいるんですよね。

でもtryは試してみる。試してみることに失敗はないんです。「Retry」一回駄目でも何度でも試してみる。色んな事をためしてみる気持ちで失敗を過度に恐れず、色んな事にtryすることで自分の幅も広がって仕事も楽しくなるんじゃないかと思います。

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