2010年11月29日月曜日

真の強さから学んだこと

先日、仕事もプライベートも充実されながら、その企業で初めて女性管理職になられた方、いわゆる女性のキャリアアップの道筋を作られた方にお話をお伺いしてきました。

その方からは芯の通った強さと女性ならでは、母ならではの強さから醸し出される雰囲気に少し緊張しながらも、女性として、母としてずっと仕事をされてきた秘訣などをお話し頂きました。

当時は女性が大学に進学するのも珍しい程、女性が働くのは本当に難しい時代だったそうです。就ける職業も限られていて、その企業の女性採用の一期生として入社されたそうですが、その際もコピーやお茶汲みばかりで、仕事にはやりがいもなく楽しくなかったと仰っていました。その中で資格をとり、仕事を紹介してもらい転職まで考えておられたそうです。

しかし、紹介先の方から、「この仕事はやりがいを感じるような魅力的な仕事ではない。辞めない方がいい。」との言葉をもらい、考え方を切り替えるきっかけになったそうです。

それからは、何事も前向きに捉え、コピーひとつ取る時も、最先端の情報が手に入るという様に、仕事の中に楽しさを見出していったとお話しされていました。

現在では、少しずつ改善され、育児休職など企業内の制度は整い女性も結婚、出産後も働けるように男女ともに働きやすい環境ができてきています。

しかし、それが必ずしもいいこととは言い切れないかもしれないと仰っていました。育休で仕事にブランクをあけることになるし、それに加え、最近では、「会社に制度を整えられていない。」「子育てができる環境が設備されていない。」と求めるばかりで、自分で何とかしようと考え、自らがやりたいことをするためにどうすることが必要か考えていない人が多いのではないかと…

ご自身は、「働くことを選んだからには職場に迷惑をかけないことが一番重要」だと話され、周りや会社にばかり期待するのではなく、チームワークを乱さず、子育てと仕事を両立するには自署努力も必要だと思いこれまで働いてこられました。

自分が働き続ける道を選んだからには、責任を持ち自分のキャリアを考えるべきで、「仕事」か「家庭」か、何を優先すべきなのかという軸を明確に持っておくことが一番必要だと思いますと仰っていました。

そして次に大事なのが自分自身。「何のために働くことを選択したのか」を考えること。
しなければならないこと、重要なことを先にこなし、仕事の効率性を上げることがポイントだとお話しされていました。

「仕事上で悩むこともあると思うが、そんな時こそ、不安を解消する方法を考えた方が良いですよ」とのアドバイスも頂きました。すべてはタイムマネージメントに繋がるのだと。

お話しをお聞きしても終始「芯」の強さを感じ、自身の働き方も見つめ直す機会になりました。育児にしても、仕事にしてもどこか複雑にしていたのは自分自身なのかもしれないなと感じ、
入社のときに抱いた思いを忘れず、自分自身の「軸」をしっかり持っていたいなと感じた取材でした。全ては「タイムマネージメント」なのだと改めて実感しました。

2010年11月16日火曜日

「働く環境」の在り方は自分自身の中にある

―― 一歩足を踏み入れるとそこは、広々とした優雅な空間。清潔感に溢れ、なんだかとても贅沢で思わずうっとりとしてしまいました…(笑)

優雅さと同時に、居心地の良さを感じ、それは空間だけで演出されているのではなく、そこに働く人々が与えてくれるのだと強く感じました。

団結したチームワークの良さが取材から感じられ"多くのお客様に喜んでもらえるホテルを目指している"とお話しされる大矢さんからは女性としての魅力もビシビシと伝わってきました。活き活きと活躍する女性としての姿がとても印象的となった取材でした。




取材を終えて


―― 私たちはこれまで数々の取材を行なってきました。
その中で、制度の活用方法、運営での工夫など様々なお話を聞き、勉強させて頂いてきました。

お話を伺う度に、他社の制度や社内風土が整っている状況に圧倒され、どうすれば自社に活かせるのだろうか、この取材を通し自社に何を持ちかえれたのかと考え、取材を重ねても自社は変わらないのかも知れないと思い焦ることも多くありました。

しかし、今回この取材を通して改めて感じたことは、「働く環境」の在り方は自分自身の中にあるのだと強く感じました。

私自身が仕事に対する向き合い方を理解しきれておらず、表面上の環境しか見えていなかったのかもしれません。何よりも働きやすくするには自分から変わらなければ何も変わらないということだと思いました。

確かに、サポート体制が整っていれば制度的には守られていて働きやすいのかもしれません。けれど、制度で守られているからこそ、そこに甘え、権利主張してしまうのでは働きやすい環境は永遠に手にできないのではないかなと思います。

困ったときに手を貸してもらえるような良い関係を築きたいのなら、助けてあげたいと思われるような仕事をすること、何かを一生懸命に取り組んでみるなど、自分自身もモチベーションをあげて仕事に取り組むことが大事だと思いました。

まずは今おかれている立場をしっかり理解し、認めること、その中で自分は何ができるか、できることを精一杯に行なうことが大切なのだと感じました。きっと、きれい事だけではなく、何かを成すことは強さも必要なのだと思います。時には凛とした強さを持つ、どこまでも勉強していたいと思うほどの向上心は持っていたいし、必要なんだと今回の取材で改めて学びました。大矢様有難うございました。

(2010年9月21日現在)

2010年11月15日月曜日

企業力UPセミナー[11月10日] 報告

過日開催致しました、『企業力アップセミナー』にご多用にも関わらずご来社頂き誠に有難うございました。
おかげさまで好評のうちに閉会することができました。




前半の㈱ワコールの人事部深沢様の講演では、
『「自律型人材」への第一歩~ワコールの新入社員教育~』として人材育成の基本原則と新入社員教育をテーマにご講演頂きました。





企業としての経営の基本方針 から新人教育の内容についてご紹介頂きました。

後半の人材育成コンサルタント 水谷伊久子様のご講演では、『人材育成の最前線から!今、新人研修に求められることは!』をテーマにお話頂きました。



水谷様の講演では、動作が与える印象について実践しながら学ぶセミナーとなりました。ご参加された方の実施したアンケートからは下記のような声も聞けました。



  • 日頃気がつかないことを考えさせられた。 
  • 意識を変えることで、周りからの見られ方が変わると感じました。 
  • 自分のことはなかなか気付かない、育成には自ら気づいてもらうことが大切だと思った。 
  • 体験に基づく話で非常に参考になった。 
  • 何となく頭では分かっていること、分かっていると思っていることを、具体的に全身を使って話して下さるので改めて言わないと分からないことが多いと気付きました。






やはり、皆さん「人材育成」について色々思うこともあり、凄く考えているのだと、もしかすると企業にとって、個人にとっても永遠のテーマなのかもしれないなと感じ、自分自身も誰よりも成長していかなければなと感じたセミナーでした。

誠にありがとうございました!!

2010年11月11日木曜日

高いモチベーション



■様々な取り組みをされていますが他に何か支援策はありますか?


弊社では制度をただ提示するだけでなく、人事の者が個人面談を行い制度の説明をしたり、育児休業などからの復職のフォローアップ面談を定期的に行っています。
また、社で育児用雑誌の定期購読をし、無料貸し出しを実施しています。

実は、弊社は女性が自身のキャリアアップの為に退職されるケースも多いんです。他のサービス業界へ移る方や、ホテル業界内での転職によるキャリアアップ、他には海外に語学留学に行ったりと理由は様々です。そういう意味では女性の退職=結婚・出産ではありません。

―― そうなんですか?!
女性がキャリアアップで退社するというイメージはなかったです。向上志向の方が多いんですね。

■退社された方の中には戻ってきたいと言われる方もいらっしゃいますか?


そうですね。やはり、キャリアアップ志向が高い女性が辞めていくのは「これからなのに…」と思う気持ちは否めません。特にホテル業界は転職が多い業界です。制度ではありませんが、運用で受け入れ態勢は用意しています。

また、留学・勉強を理由に退職を考えている人については、場合によって自己都合休職を認めることもあります。現在、自己都合休職を認められて留学し、復職した方は3名います。

語学やビジネスについて自主的に学びたいという向上心のある方が、これまで弊社で働いてきたノウハウも持たれている上に、プラスアルファ新たに学んでこられたことを含め成長されていますからすごく財産になると考えています。

他には月々技能手当をお支払いする制度を用意しています。英語(TOEIC)やソムリエ、バーテンダーなど様々な資格について認められています。

―― そうなんですね!運用面でも様々な工夫をされているのですね。
会社から休業といった形で戻ってきてもいいと言われたり、技能手当が出すると、勉強してみようかなと、一つのきっかけになりますね。

■他に、学習を推進する仕組みなどはございますか?また、海外などに行かれて復職できる運用は社員の方々はご存知なのですか?


通信教育を援助するという意味で、指定された通信教育を受けると終了時に補助金が会社の方から出ることはあります。何事もきっかけ作りは大切ですね。

また、自己都合休職については特に周知をしているわけではありませんが、身近な先輩などがこういった運用で留学しているのを知っているので、私共から伝えるのではなく、生の声が聞ける位置にいるのではないでしょうか。

また、上司の方もご存知なので、部下の相談に対してアドバイスする場合もあるようです。仕事を続けたい、向上心を持って成長したいという方にはどんどん頑張っていただきたいと思っています。

当ホテルは忙しい分、効率よく仕事をこなすことも大切ですが、何より仕事に熱心な方が多く、目標意識が高いんです。社内に教えてくれる頼れる方がたくさんいるので、資格取得にも前向きになれますし、凄く心強いんですよね。

―― そうなんですね!!お話をお伺いしても本当に職員の皆様がモチベーションの高さが伝わってきますね。

■では大矢様ご自身の仕事の一番のやりがい、醍醐味を教えて頂けますか?


そうですね。私はもともと、いわゆる「キャリア志向」ではなかったのですが、ここまで仕事を続けてこられたのは、人との繋がりやご縁のおかげだと日々感じています。

ホテルの中には、タイトルに関わらず常に高い目標や問題意識を持って真摯に頑張っている人がたくさんいます。そのような方々を見ていると、私も何か役に立ちたいと思いますし、それが現在まで仕事を続けるモチベーションになっていると思います。

総務人事の仕事は、縁の下の力持ちです。「人を育てる」「働きやすい職場を作る」というのは時間がかかるしすぐに結果がでない地味な仕事です。

そんな中でも一番のやりがいは人との関わりです。新しい制度ができたことや研修を通じてスタッフから「働きやすくなった」とか「ありがとうございました」とか、そんな声を耳にしたときは本当に嬉しいです。

また、現在私は管理職ですが、上位の役職につくほど大きな課題に取り組めます。できることの種類を広げていく横のキャリアアップもありますが、管理職という縦のキャリアアップ希望者も増やしていきたいと思っています。

―― なるほど。私たち自身、取材を通し人事部の方々にお話をお伺いするたびに企業になくてはならない存在だなと強く感じます。

■最後に新入社員にメッセージを下さい。(主に私たちですが…笑)

そうですね…メッセージ難しいですね…(笑)
仕事をしていたら、逃げ出したいこともあると思います。組織においてはすぐに自分のやりたい仕事ができることの方が少ないですし、仕事は思っているほど合理的には進みません。

ですので、特に新入社員の時は「(上司から)自分に何が求められているのか」に集中して、できるだけ早く良い結果を出すことが必要だと思います。

どんなに嫌なことでも必ず終わりは来ますし、一生懸命に取り組むことに「無駄」はないと私は思います。

一方、自分の中では将来「こうなりたい」という夢を持って、あきらめずに取り組むこと。「こうなりたい」と「今の仕事」を関連付けて考えられるとモチベーションも上がると思います。

そして最後に、周囲の人(上司、先輩)はみんなサポーターです。ひとりで思い悩まずに何でも相談してみてください。もちろん、私たち総務人事のスタッフもその一人なので、ぜひ活用していただきたいと思います。

(2010年9月21日現在)

2010年11月1日月曜日

自分のスタイルで働ける職場

―― 古都・京都の玄関口から一歩踏み込むとそこは、洗練された空間…ここでの結婚式を夢見ている方も少なくはないのではないでしょうか。

今回の主役は、今年で開業14年目を迎え、国内外を問わず多くのお客様に親しまれている、京都で知らない人間はいないと言っても過言ではない「ホテルグランヴィア京都」様です!

今回の取材先は、総務部 総務人事グループの大矢 悦子様にお話をお伺いしてきました。

ホテルグランヴィア京都様は、「きょうと男女共同参画推進宣言」にも登録されており、お客様だけでなく、そこに働く従業員も大切にされています。
そんな秘訣や、社内風土を少し覗いてきました。
大矢 悦子氏

■男女共同参画推進宣言をされていますがその経緯を教えて頂けますか?

女性が末長く働ける、いろんな方面で活躍できる企業にしたいと思ったのがきっかけです。海外のホテルでは管理監督職でも大変多くの女性が活躍されているんですよ。それに比べ日本はまだまだですよね。女性の中で一番多く考えられる、結婚出産。

出産しても仕事を続けたい、キャリアアップ志向があるのであれば、この企業で続けようとか、上を目指し、頑張ろうと思わせる足がかりになるものが必要だと思ったんです。
こうあるべきというレール敷くのではなくまずは環境作りから始めました。



―― なるほど。確かに、仕事を続けたいと感じていても、会社にそのような風土がなければなかなか言い出せないこともありますね。
そう思うと、会社全体で女性活用問題に取り組まれるのはすごく素敵ですね。

■では他に、女性が活躍する職場にするためにはどういうことが必要だと思われますか?

そうですね。様々な側面があるとは思いますが、一番は、自分のスタイルで働ける職場ではないでしょうか。キャリアアップ志向の人もいれば、そうでない人もいますよね。

例えば、キャリアを積むと必ずマネジメントをしないといけないというのではなく、接客が好きで接客のスペシャリストを目指すとか、ひとつの職種をずっと継続できるなど、いろんな働き方の中から、自分の働き方が選択でき、仕事に対してやりがいや責任を持てる働き方ができる職場ではないかなと感じます。

そして次に必要なことはやはりサポートする風土ではないでしょうか。
弊社では育児休職は最長子供が3歳になるまで、勤務時間の短縮については9歳の学年末までに延長しています。

―― なるほど…そうなんですね。
それにしても、24時間、365日営業の中で育児休業・勤務時間短縮の延長だなんてすごいですね!

■周りの方々の反応はいかがですか?また利用者からはどのような声が聞かれましたか?


そうですね。弊社では最長3歳なので、制度利用期間を自分で合わせられます。ですからなかなか保育園に入園できず困っていたところ、何カ月か制度を使い助かったという事例がありました。

また、周囲は方向性や制度について総論賛成ですし、概ね理解があると思います。
問題は実際の運用がどうか、ということですが、育児休業中の人員不足についてはアルバイトを補充したりという運用をしています。

弊社は24時間営業ですから夜勤のある職種もあります。育児休職復職後の方々は、今のところ配属を含めて労働時間の配慮をしたり、制度に縛られるのではなくケースバイケースで柔軟な対応を心掛けています。

また、制度においては周囲の理解だけではなく、利用側の意識も大切ですね。権利主張をするだけではなく、利用者の仕事に向き合う姿勢や配慮に対する周囲への感謝は必要です。

もちろん、育児だけではなく、今後は介護問題も増えていきますし、お互い様という気持ちも大切ですね。

何にしても、やはりお互いの思いやりが欠かせないと思います。思いやることで自然と相手の立場も見えてきますからね。


―― そうですね。やはり最近では、保育園の入園問題もよく耳にします。そんな中育児休業の延長はすごく心強いですね。また、自分にばかり負担がかかるとなかなか、思いやりを持てなくなってしまいますが、そういった両側面をしっかりとらえ、会社がカバーしてくれるとよりよい環境になりますね!

■多くの方が制度を利用されているのですか?また男性の育児休業取得率はいかがですか?


ここ最近は特に結婚しても仕事を続ける方が非常に多いです。中には2人目3人目の育児休業という方もいらっしゃいます。

ただ残念ながら、男性の育児休業取得はまだです。これは今後も課題です。男性の育児休業は外圧ではなく、まだまだ男性の意識が進んでいない部分もあると思います。

制度として男性の出産直後の休暇はまだありませんが、運用で工夫はしていますし、男性も育児休暇取得を検討して頂きたいと考えています。

ただし、現在は不況の影響もあって人の不足への対応が難しく、そのような意味でも特に男性は遠慮しがちであると思います。

―― そうですね。確かに、日本全体で見ても男性の育児参加はまだまだですね。
最近でこそ育メンや男性の育児参加などを耳にしますが、やはりまだ性別役割分業感覚も抜けきっていないでしょうし、難しいところですね。

(2010年9月21日現在)